のんびり日記

2004.02.27から始めたはてなダイアリーからのお引越し。猫のこととか日常のこととか。

違和感

【被後見人の選挙権剥奪違憲」 全面勝訴 原告の父「つかえ下りた」(産経新聞 3月15日(金)7時55分配信】
「さまざまなハンディキャップを負う多数の国民も、わが国の主権者であることはいうまでもない」。成年後見人が付くと選挙権を失うとした公職選挙法の規定を「違憲」と判断、安易な制限に警鐘を鳴らした14日の東京地裁判決。判決言い渡し後、定塚(じょうづか)誠裁判長(55)は原告女性に「胸を張って生きて」と直接声をかけた。共に闘った父は「胸のつかえが下りた」と喜びを分かち合った。 (http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130315-00000092-san-soci

このニュースに違和感。
必要以上に美談化しているような気がしてならないんだけど。


テレビのニュースを通じ政治にも関心を寄せた匠さん。背景には、父の教えがあった。「あなたは主権者だから、成人になったら選挙へ行くものです。棄権はキケン(危険)」。選挙公報を熱心に読み込み、欠かさず投票所に足を運んだ。丁寧に用紙をたたみ一票を投じると、誇らしそうな表情を見せたという。


しかし、平成19年の参院選以降、選挙案内のはがきは届かなくなった。清吉さんが匠さんの将来の財産管理に備え成年後見制度の利用を申し立て、後見人に選任されたためだ。


清吉さんは、計算が苦手な匠さんがだまされないようにとの思いから、成年後見制度を利用した。「娘を助ける制度のはずなのに」。清吉さんが謝ると、匠さんは「いいよ」と寂しそうにつぶやいた。選挙の意義を説いた自らがその権利を奪う結果となり、清吉さんは罪の意識にさいなまれた。


↑こんなことが書かれているんだけど、


ならどうして選挙権が制限されない【被保佐人や被補助人】にしなかったのか?
被保佐人や被補助人でも財産は守れるよ?
この記事を読む限りでは被後見人にする必要はなさそうじゃない?
なのにどうして被後見人にしているの?








被後見人というのは認知症や知的・精神障害で判断能力の不十分な人】のこと。
この被後見人が行った法律行為は常に取り消すことができる*1とあります。
ちなみに成年被後見人が何か不法行為をした場合、その責任は本人ではなく、成年後見人が負います。
本人(被後見人)が責任をとることもありますが*2、本人が責任をとることは稀でしょう。
なぜなら判断能力が認められるということは、被後見人にしておく必要がないから。








そんな法で守られるほど判断能力が不十分とされる被後見人に選挙権を与えていいのでしょうか?。
もう一度言いますが、しっかり考えられる判断能力があるのであれば被後見人になる必要がありません。








この記事を読んだ人のツイートとか見てると「当然の判決」とか「感動した」とかあって不安になる。








これぞ平和ボケ。








投票権ってそんなに軽いものではないでしょう?
自分たちの将来にかかわってくるんだよ?








ここ何年かでマスコミが賞賛することは注意という意識が身についてしまったからか、 この記事が
「人の良心を利用して、さも当然の判決のように誘導している」
としか思えない。








もっとちゃんと考えた方がいいと思う。

*1:ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない(9条)

*2:一時的に判断し得る状況になったときにある一定程度以上の判断能力が認められれば、有効に告訴をすることができる場合があります